カロリーゼロの甘味料、心臓発作や脳卒中リスク増大と関係 米研究
忙しい人向けのまとめ
カロリーゼロ飲料に含まれる、エリスリトールが血栓、脳卒中、心臓発作や死亡リスクを増大させる可能性があるという研究結果が発表されました。糖尿病や心疾患を持つ人は、血中のエリスリトール濃度が高いとリスクが2倍になるとのこと。今後の研究が必要ですが、当面はエリスリトールの摂取を控えることが推奨されます。
研究の背景と発見
米クリーブランドクリニックのスタンリー・ヘイゼン氏らが、「エリスリトール」が血栓、脳卒中、心臓発作、そして死亡リスクの増大に関係することを発見しました。この論文は科学誌ネイチャー・メディシンに発表されました。
血栓リスクの増大
研究では、エリスリトール濃度が高いと心臓発作や脳卒中のリスクが2倍になることが示されました。実験ではエリスリトールが血小板の凝固を促進することが確認され、血栓が心臓や脳に達することで発作や脳卒中を引き起こす可能性があるとされています。
専門家の見解
この研究に関与していない専門家のアンドルー・フリーマン氏は、エリスリトールの使用が血栓リスクを高める可能性があるとし、当面は食事での使用を制限することを推奨しています。
エリスリトールの特性と使用状況
エリスリトールはソルビトールやキシリトールと同じ糖アルコールで、砂糖の70%程度の甘さを持ち、ゼロカロリーとされています。食品業界では、低炭水化物製品や糖尿病患者向け食品に広く使用されています。
エリスリトールの含有量
「天然」ステビアやモンクフルーツ製品でも、成分の大部分をエリスリトールが占めており、消費者に砂糖のような外観や食感を提供しています。
研究の詳細とデータ
ヘイゼン氏のチームは、2004年~2011年に採取された心臓病リスクを持つ1157人の血液サンプルを調査し、エリスリトールが心疾患や脳卒中、3年以内の死亡リスクと関連していることを発見しました。
追加の調査と実験
さらに、米国の2100人、欧州の833人の血液サンプルを調査し、エリスリトール濃度が高いと心臓発作や脳卒中リスクが増大することが確認されました。動物実験や研究室での実験でも、エリスリトールが血液の凝固を促進する作用があることが確認されました。
結論と推奨
ヘイゼン氏は、心疾患や糖尿病の基礎疾患がある人は、エリスリトールを控えることが望ましいと述べています。消費者は、健康リスクを考慮してエリスリトールの摂取を見直すべきです。
詳細は、日本経済新聞の記事をご覧ください。